
`クーラーをつけてるのに湿気が出る、除湿をしても湿度が下がらない…その不快感、エアコンの「湿度戻り」が原因かもしれません。
この記事では、エアコンの湿度戻りとは何か、その現象を防ぐ方法を徹底解説します。
特に、湿度戻りしないメーカーとして注目されるのが、三菱電機の「さらっと冷房除湿」、ダイキンの「さらら除湿(ハイブリッド方式)、さらら除湿(リニアハイブリッド方式)搭載モデル」、日立の「カラッと除湿」搭載モデル、そして富士通ゼネラルの「再熱除湿」搭載モデルです。
これらの高機能エアコンで、ジメジメ知らずの快適な夏を過ごしましょう。
- エアコンの湿度戻りが起こる仕組み
- 湿度戻りを防ぐための応急処置と設定方法
- 根本解決におすすめな「再熱除湿」機能とは
- 湿度戻り対策に強い主要メーカーのエアコン紹介
エアコンの湿度戻りとは?原因と対策の基本

- エアコンの湿度戻りとはどんな現象?
- クーラーをつけてるのに湿気が出る原因
- 湿度戻りを放置する3つのリスク
- エアコンの湿気戻りを防ぐ応急処置
- 各メーカーの送風停止機能で対策
エアコンの湿度戻りとはどんな現象?
「エアコンの湿度戻りとは」一体どのような現象なのでしょうか。
これは、エアコンの冷房運転によって一度下がった室内の湿度が、しばらくして再び上昇してしまう現象のことを指します。エアコンを付けて涼しくなったはずなのに、なんだかジメジメ、ムシムシする…と感じたら、この湿度戻りが起きている可能性が高いです。
特に気密性の高い部屋や、エアコンの効きが良い狭い部屋では、すぐに設定温度に達してしまい、この現象が起こりやすくなります。快適な空間を保つためには、この湿度戻りのメカニズムを理解し、適切な対策を講じることが重要です。
クーラーをつけてるのに湿気が出る原因
クーラーをつけてるのに湿気が出る、除湿をしても湿度が下がらない、その根本的な原因はエアコンの運転方法にあります。
エアコンは室温が設定温度に達すると、部屋を冷やしすぎるのを防ぐために冷房運転を停止し、送風運転に切り替わります。この状態を「サーモオフ」と呼びます。
エアコンの湿度戻り問題は、このサーモオフ時に起こります。
1. 結露水の発生:冷房運転中、エアコン内部の熱交換器は非常に冷たくなり、空気中の水分が結露してびしょ濡れの状態になります。
2. 送風運転への切替:室温が設定温度に到達すると、エアコンは冷房を止め、送風運転を開始します(サーモオフ)。
3. 湿気の再放出:濡れた熱交換器に室温の風が通ることで、結露水が蒸発。まるで濡れタオルに風を当てているかのように、湿った空気が室内に送り出されてしまうのです。
これが湿度戻りの正体です。エアコン自身が、一度取り除いた湿気を再び部屋に戻してしまっていたのですね。
湿度戻りを放置する3つのリスク
「少しジメジメするだけ」と湿度戻りを放置すると、快適性が損なわれるだけでなく、健康や住環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
1. 体感温度の上昇と不快感
湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体感温度が実際の室温より高く感じられます。同じ温度でもジメジメしていると不快指数が上がり、睡眠の質の低下にも繋がります。
2. 熱中症のリスク
体温調節がうまく機能しなくなるため、体に熱がこもりやすくなります。特に、睡眠中など無自覚のうちに熱中症になるリスクが高まるため注意が必要です。
3. カビやダニの発生
湿度60%以上は、カビやダニが繁殖しやすい環境です。湿度戻りによって高湿度の状態が続くと、壁や家具の裏側、衣類などにカビが発生し、アレルギーや喘息の原因になることもあります。
エアコンの湿気戻りを防ぐ応急処置

エアコンを買い替える前に、今すぐできる応急処置もあります。エアコンの湿気戻りを防ぐための、簡単な設定変更やメンテナンス方法をご紹介します。
- 設定温度を下げる
設定温度を低めにすることで、サーモオフになる頻度を減らし、冷房運転の時間を長くする方法です。ただし、冷えすぎや電気代の増加には注意が必要です。 - 風量を弱にする
風量を弱にすると、空気がエアコン内部をゆっくり通過します。これにより、湿気が結露する時間が長くなり、除湿効率が少し上がります。 - フィルターを掃除する
フィルターのホコリ詰まりは、空気の循環を悪化させ、エアコンの効率を低下させる原因になります。こまめなフィルター掃除は、湿度戻り対策の基本です。

送風停止機能で対策
湿度戻りの原因が「サーモオフ時の送風」にあるため、この送風を止められれば、湿度戻りを抑制できます。各メーカーもこの点を認識しており、送風運転を停止する機能を搭載している場合があります。
メーカー | 送風停止機能 | 備考 |
---|---|---|
三菱電機 | あり(停止が標準) | 2025年モデルから標準で送風を停止。 |
パナソニック | あり(設定変更) | 「においカット機能」をONにすると停止。 |
富士通ゼネラル | あり(設定変更) | 「省エネファン機能」をONにすると停止。 |
ダイキン | あり(設定変更) | 「ドライキープ機能」をONにすると停止。(一部機種) |
日立 | なし | 冷房時は送風あり。除湿運転時は送風なし。 |
お使いのエアコンに該当する機能があれば、設定をONにすることで湿度戻りを軽減できる可能性があります。
湿度戻り対策に!おすすめエアコンメーカー


- 根本対策は再熱除湿機能が最強
- 湿度戻りしないメーカー4選
- 三菱電機「さらっと冷房除湿」搭載モデル
- ダイキン「さらら除湿」搭載モデル
- 日立「カラッと除湿」搭載モデル
- 富士通ゼネラル「再熱除湿」搭載モデル
- まとめ:エアコンの湿度戻り対策を総括
根本対策は再熱除湿機能が最強
送風運転の停止は有効な対策ですが、それでも完璧に湿度戻りをなくすことは困難です。そこで、より強力で根本的な解決策となるのが「再熱除湿」という機能です。
再熱除湿とは、一度冷やして湿気を取り除いた空気を、エアコン内部で適温に温め直してから室内に送る方式のこと。これにより、「室温を下げすぎずに、湿度だけをしっかり下げる」という理想的な運転が可能になります。
肌寒い梅雨の日でも、寒さを感じることなくカラッとした快適な空気を保つことができるため、湿度戻りに悩む方にとってはまさに最強の機能と言えるでしょう。ただし、空気を温め直す工程が入る分、通常の冷房や除湿より電気代が少し高くなる傾向があります。
湿度戻りしないメーカー4選
再熱除湿機能は、すべてのエアコンに搭載されているわけではありません。ここでは、この高機能な除湿機能を搭載し、湿度戻りしないメーカーとして定評のある4社をご紹介します。各社、機能の名称は異なりますが、基本的な仕組みは再熱除湿です。
- 三菱電機:「さらっと冷房除湿」
- ダイキン:「さらら除湿」
- 日立:「カラッと除湿」
- 富士通ゼネラル:「再熱除湿」
これらのメーカーの上位モデルから中位モデルに搭載されていることが多いです。次の項目から、各メーカーの具体的なモデルを見ていきましょう。
三菱電機「さらっと冷房除湿」搭載モデル
三菱電機の「さらっと冷房除湿」は、室内の温度と湿度をセンサーが検知し、最適な運転を自動で選択してくれる賢い機能です。湿度戻りをしっかり防ぎながら、省エネにも配慮した運転が可能です。
Zシリーズ、HXVシリーズ、JXVシリーズなどに搭載されています。




ダイキン「さらら除湿」搭載モデル
「空調専業メーカー」として知られるダイキンの「さらら除湿(ハイブリッド方式)」、「さらら除湿(リニアハイブリッド方式)」搭載モデルは、除湿機能に定評があります。
複数の除湿方式を部屋の状況に応じて自動で組み合わせ、室温をキープしながら目標の湿度までしっかり除湿。湿度戻りの心配がありません。




日立「カラッと除湿」搭載モデル
日本で最初にエアコンに再熱除湿機能を搭載したのが日立です。そのノウハウが詰まった「カラッと除湿」は、パワフルな除湿力が魅力。室温や湿度、人数などをセンサーで検知し、蒸し暑さをしっかり解消してくれます。




富士通ゼネラル「再熱除湿」搭載モデル
富士通ゼネラルの「再熱除湿」搭載モデルは、その名の通りストレートなネーミングで分かりやすいのが特徴です。肌寒さを感じさせない快適な除湿運転で、梅雨時でも快適な空間をキープしてくれます。




まとめ:エアコンの湿度戻り対策を総括
この記事では、不快な「エアコンの湿度戻り」の原因と、その対策について詳しく解説しました。最後に、重要なポイントをリストで確認しましょう。
- 湿度戻りとは、一度下がった湿度が再び上昇する現象
- 原因は設定温度到達後の「サーモオフ」時の送風運転
- エアコン内部の結露水が送風で蒸発し、湿気が室内に戻る
- 放置すると不快なだけでなく、熱中症やカビのリスクが高まる
- 応急処置として風量を弱にしたり、フィルターを掃除したりする方法がある
- 一部メーカーでは送風運転を止める機能が搭載されている
- 根本的な湿度戻り対策には「再熱除湿」機能が最も効果的
- 再熱除湿は室温を下げずに湿度だけを下げられる
- 三菱電機「さらっと冷房除湿」はAI制御で賢く除湿
- ダイキン「さらら除湿」は除湿・加湿・換気を一台でこなす
- 日立「カラッと除湿」はパワフルな除湿力が魅力
- 富士通ゼネラル「再熱除湿」は内部クリーン機能も充実
- 湿度戻りに悩んでいるなら、再熱除湿機能付きのエアコンへの買い替えがおすすめ
- 各メーカーの特徴を比較し、自分に合った一台を選ぶことが大切
- 快適な湿度(40~60%)を保ち、健康的な夏を過ごそう