
冬が近づくと、お肌や喉の乾燥が気になり始めますよね。そんな時の強い味方が「加湿器」です。でも、いざ家電量販店やネットショップを見てみると、種類が本当に多くて「結局、どのタイプがいいの?」と頭を悩ませてしまう方も多いのではないでしょうか。
スチーム式、超音波式、気化式、ハイブリッド式…と色々ありますが、それぞれに全く異なるメリット,デメリットが存在します。ご自身のライフスタイルやお部屋に合わないものを選んでしまうと、「お手入れが想像以上に面倒…」「来月の電気代が怖い!」「思ったより加湿されない…」なんてことにもなりかねません。
この記事では、4つの主要な加湿器のタイプを一つひとつ丁寧に比較し、それぞれの特徴や気になる実際の口コミを交えながら、あなたに本当にぴったりな一台を見つけるための「おすすめ」の選び方を分かりやすく解説していきますね。
- 加湿器の主要4タイプ(スチーム・超音波・気化・ハイブリッド)の違い
- それぞれのメリット・デメリットと電気代の目安
- タイプ別のおすすめ人気モデルと特徴
- お手入れの手軽さなど後悔しない選び方のポイント
加湿器はどのタイプがいい?徹底比較

- あなたに合う加湿器は?
- 主要4タイプの特徴早わかり表
- スチーム式のメリット・デメリット
- 超音波式のメリット・デメリット
- 気化式のメリット・デメリット
- ハイブリッド式のメリット・デメリット
あなたに合う加湿器は?

加湿器と一口に言っても、お店に並んでいる製品は、実はお部屋を潤す仕組み(加湿方式)によって大きく4つのタイプに分けられるんです。それぞれに得意なこと・苦手なことがあり、「これが絶対に一番いい!」という万能なタイプは存在しません。
だからこそ大切なのは、ご自身が加湿器に何を一番求めているのかを、はっきりさせることです。
例えば、「とにかく電気代を安く抑えたい」というのが最優先でしょうか?それとも、「お手入れはできるだけ簡単な方がいい」ですか?あるいは、「広いリビング全体を素早く潤したい」という加湿パワーでしょうか。
もしかしたら、「赤ちゃんのいる部屋で使うから、何よりも安全性が大事」かもしれませんね。ご自身の希望を整理しながら、それぞれの特徴を知ることから始めてみましょう。
主要4タイプの特徴早わかり表
まずは、4つの主要な加湿タイプ(スチーム式、超音波式、気化式、ハイブリッド式)が、それぞれどんな特徴を持っているのか、ひと目でわかる比較表をご用意しました。ご自身が重視したい項目(例えば「電気代」や「清潔性」)に注目しながら、「私の使い方だと、このタイプが良さそうかな?」と、あたりをつけてみてくださいね。
| 加湿方式 | 加湿力 | 本体価格 | 電気代 | 清潔性 | お手入れ |
|---|---|---|---|---|---|
| スチーム式 | 非常に高い | 安価~高価 | 非常に高い | 非常に高い | 容易(フィルター不要) |
| 超音波式 | 高い | 非常に安価 | 非常に安い | 低い(要対策) | 頻繁に必要 |
| 気化式 | 緩やか | 高価 | 非常に安い | 高い | フィルター手入れが必要 |
| ハイブリッド式 | 高い | 高価 | やや高い | 高い | フィルター手入れが必要 |
(※ハイブリッド式は、現在主流となっている「加熱気化式」を主に想定しています。タイプによって特徴が少し異なる場合もあります)
スチーム式のメリット・デメリット

スチーム式は、最もシンプルでパワフルな加湿方法の一つです。内蔵されたヒーターでお水を沸騰させ、その蒸気(スチーム)でお部屋を加湿するタイプですね。キッチンのやかんがお湯を沸かしている状態をイメージしてもらうと、一番分かりやすいかと思います。
最大のメリットは、なんといってもその衛生面です。水を100℃で一度しっかりと沸騰させるため、水中に含まれる可能性のある細菌やウイルスを根本的に除去してくれます。放出されるのはクリーンな蒸気だけなので、衛生面を気にする方には絶大な安心感があります。
また、加湿パワーも4タイプの中で最も強く、乾燥したお部屋の湿度を素早くグングン上げてくれます。暖かい蒸気が出るので、室温が少し上がるのも、寒い冬場には嬉しい副産物ですね。
一方、最大のデメリットは電気代です。常にお湯を沸かし続けるためのヒーターが電力を多く消費するため、他の方式と比べて電気代はかなり高くなる傾向があります。
また、沸騰した蒸気や熱くなった本体は、やけどの原因になり得ます。小さなお子さんや好奇心旺盛なペットがいるご家庭では、置き場所を高くするなど、触れないように十分な注意が必要です。
お手入れ面では、フィルター不要のモデルが多いですが、水道水のミネラル分が「カルキ」として内部に付着しやすいので、定期的なお掃除は必要になります。
メリット: 衛生的(沸騰殺菌)、加湿力が非常に強い、部屋が少し温まる
デメリット: 電気代が非常に高い、やけどのリスクがある
こんな人におすすめ: とにかく衛生面を最優先したい人、パワフルな加湿を求める人
超音波式のメリット・デメリット

超音波式は、水面に超音波の細かな振動を当て、水を微細なミスト(霧)状にして、それを内蔵ファンで空気中に放出するタイプです。加湿器の吹き出し口から、もくもくと白い霧が出ているのが特徴的ですね。
メリットは、まずコスト面です。ヒーターを使わないため消費電力が非常に小さく、電気代が安いのが大きな魅力。本体価格も比較的手頃なモデルが多いです。
また、沸騰音や大きなファンの音がないため、動作音がとても静か。寝室や静かなオフィスでの使用にも向いています。構造がシンプルなため、デザインの自由度が高く、おしゃれなインテリアのようなモデルや、アロマオイルを垂らして香りを楽しめる機種が豊富なのも嬉しいポイントです。
最大のデメリットであり、注意しなければならないのが衛生面です。スチーム式とは対照的に、水を加熱殺菌する工程がありません。
そのため、タンク内の水を放置したり、こまめな清掃を怠ったりすると、雑菌やカビが繁殖し、そのままミストと一緒にお部屋に放出されてしまう健康リスクがあります。
また、水道水に含まれるミネラル分が、ミストが蒸発した後に「ホワイトダスト」と呼ばれる白い粉として、テレビや家具の表面に付着することがあります。水の粒子が比較的大きいため、床や壁の近くに置くと、周辺が濡れてしまうことがある点も注意が必要です。
メリット: 電気代・本体価格が安い、動作音が非常に静か、デザインが豊富
デメリット: こまめな清掃が必要(雑菌リスク)、ホワイトダストが発生することがある
こんな人におすすめ: 初期費用や電気代を抑えたい人、静音性を重視する人、こまめな手入れが苦にならない人
気化式のメリット・デメリット
気化式は、内部にある吸水フィルターに水を染み込ませ、そこにファンで風を当てて水分を蒸発(気化)させるタイプです。濡れたタオルに扇風機で風を当てている状態や、洗濯物の室内干しをイメージすると分かりやすいですね。
メリットは、ヒーターを使わないため超音波式と同様に電気代がとても安いことです。消費電力はファンを回す分だけなので、非常に省エネです。
また、熱い蒸気やミストが出ず、吹き出し口も熱くならないため、小さなお子さんやペットが誤って触ってしまってもやけどの心配がなく、安全性が非常に高い点が最大の魅力と言えます。
さらに、お部屋の湿度が高くなると自然と蒸発量が少なくなる「自己調湿機能」があり、必要以上に加湿しすぎて結露してしまう「過加湿」になりにくいのも賢いポイントです。
デメリットとしては、加湿スピードが比較的緩やかなことが挙げられます。スイッチを入れてすぐに湿度を上げたい場合には、少し物足りなく感じるかもしれません。
また、常にファンが回っているため、その動作音(「フォー」という風の音)が多少します。送られてくる風は熱を持たないため、冬場は少しひんやりとした冷たい風に感じられることもあります。
そして、フィルターがカビや雑菌の温床になったり、水垢で目詰まりしたりするのを防ぐため、定期的なフィルター清掃や、シーズンごとの交換といったお手入れが不可欠です。
メリット: 電気代が非常に安い、安全性が高い、過加湿になりにくい
デメリット: 加湿スピードが緩やか、フィルターの手入れが必要、風が冷たく感じることがある
こんな人におすすめ: 安全性を最優先したい人、電気代を節約したい人、ゆっくりでも自然な加湿を好む人
ハイブリッド式のメリット・デメリット
ハイブリッド式は、その名の通り「2つの方式」を組み合わせて、お互いの長所を活かし、短所を補おうという、いわば「いいとこ取り」を目指したタイプです。現在、市場で主流なのは「加熱気化式(気化式+ヒーター)」ですが、「加熱超音波式(超音波式+ヒーター)」というタイプもあります。
ここでは主流の「加熱気化式」についてご説明しますね。これは、基本は気化式なのですが、フィルターに当てる風をヒーターで温める仕組みになっています。これにより、気化式の弱点だった「加湿スピードの遅さ」や「風の冷たさ」を克服しています。
湿度が低い時はヒーターでパワフルに加湿し、設定湿度に近づくとヒーターを止めて省エネな気化式運転に切り替わるなど、賢く動作するモデルが多いです。スチーム式よりは電気代が安く、安全性も(気化式ベースなので)高く、気化式よりもパワフル、という非常にバランスの取れた方式です。
デメリットは、やはり2つの機能を搭載しているため構造が複雑になり、本体価格が高価になりがちな点です。また、ヒーターを使う分、純粋な気化式や超音波式と比べると電気代は高くなります(もちろんスチーム式よりは安いです)。
そして、ベースが気化式であるため、フィルターのお手入れが定期的に必要になる点は変わりありません。
メリット: 加湿が速くパワフル、気化式より衛生的、スチーム式より省エネで安全
デメリット: 本体価格が高い、フィルターの手入れが必要
こんな人におすすめ: パワー、省エネ、安全性など、全体のバランスを重視したい人
タイプ別おすすめ加湿器と選び方

- 衛生・手軽さ重視のおすすめ
- 省エネ・安全性重視のおすすめ
- バランス重視のおすすめ
- デザイン・静音性重視のおすすめ
- お手入れのしやすさが重要
- 人気モデルの口コミも確認
- 結論:加湿器はどのタイプがいい?
衛生・手軽さ重視のおすすめ

「電気代はかかってもいいから、とにかく衛生的でお手入れが楽なものがいい!」という方には、スチーム式の人気モデルがぴったりです。特にフィルター掃除の手間をなくしたい方におすすめですよ。
象印マホービン EE-DC50(スチーム式)
総括: 電気代の高さと引き換えに、「沸騰による衛生性」と「フィルター不要の手軽さ」という大きな安心感を得られるモデルです。健康を第一に考え、面倒なフィルター掃除から解放されたい方に最適です。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 加湿方式 | スチーム式 |
| 適用床面積(目安) | 木造和室:~8畳、プレハブ洋室:~13畳 |
| タンク容量 | 4.0L |
| 主な機能 | 自動加湿3段階、湿度モニター、入切タイマー、チャイルドロック |
長所とセールスポイント:
なんといっても、水を沸騰させることによる卓越した衛生性が魅力です。お手入れも電気ポットのようにクエン酸洗浄するだけで、面倒なフィルター掃除が一切不要な点が、多くの支持を集めています。パワフルな加湿能力に加え、チャイルドロックや転倒湯もれ防止構造など、安全面にも配慮されています。
短所:
最大の懸念点は、やはり電気代の高さです。また、お湯を沸かす際の「コポコポ」という沸騰音は、静かな寝室では気になるかもしれません。
省エネ・安全性重視のおすすめ
「電気代をとにかく抑えたい」「小さな子供がいるから安全性が第一」という方には、気化式がおすすめです。熱を使わない安心感と、トップクラスの省エネ性能が魅力です。
パナソニック FE-KXU07(気化式)
気化式ならではの圧倒的な省エネ性能と安全性の高さを誇りながら、パワフルな加湿力も両立させた高効率モデルです。コストと安全性を重視するご家庭、特に寝室での使用に最適です。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 加湿方式 | 気化式(ヒーターレス) |
| 適用床面積(目安) | 木造和室:~12畳、プレハブ洋室:~19畳 |
| タンク容量 | 約4.2L |
| 主な機能 | ナノイー搭載、DCモーター、自動運転、おやすみモード |
長所とセールスポイント:
ヒーターレスならではの極めて低いランニングコストが最大の魅力。検証によっては月々の電気代が非常に安価になるという結果も出ています。また、静音モードはとても静かで、寝室にもぴったりです。肌のうるおい向上や菌・ウイルスの抑制を謳う独自の「ナノイー」技術が搭載されている点も、付加価値となっています。
短所
フィルターの定期的な清掃(月1回目安)や交換(公称10年ですが使用状況によります)は必要です。また、タンクが背の高い形状のため、ご家庭のシンク(蛇口)の高さによっては給水しにくい場合がある、という声もあります。
バランス重視のおすすめ
「加湿パワーも欲しいけど、電気代や安全性も気になる…」そんなバランスを重視する方には、ハイブリッド式(加熱気化式)がおすすめです。両方の「いいとこ取り」をした万能タイプですよ。
シャープ HV-P75(ハイブリッド式 – 加熱気化式)
パワフルな加湿力、独自の空気浄化技術、そして何より「上部給水」という卓越した利便性を兼ね備えた、非常にバランスの取れたトップクラスのモデルです。リビング用のメイン加湿器として強力な選択肢になります。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 加湿方式 | ハイブリッド式(加熱気化式) |
| 適用床面積(目安) | 木造和室:~12.5畳、プレハブ洋室:~21畳 |
| タンク容量 | 約4.0L |
| 主な機能 | プラズマクラスター7000、2way上部給水、フィルター乾燥 |
長所とセールスポイント:
多くの方が絶賛するのが、やかんなどで上から直接水を注げる「2way上部給水」システムと、バケツのように持ち運べるタンクの使いやすさです。日々の給水のストレスが劇的に減ります。加湿力も非常にパワフルで、広いリビングにも対応可能です。シャープ独自の「プラズマクラスター」技術も搭載されています。
短所:
フィルター式の宿命として、水の交換を怠るとカビなどが発生する可能性はあります。また、強モードでの運転音はやや大きいという指摘もあります。
デザイン・静音性重視のおすすめ
「寝室で使うから、とにかく静かなものがいい」「インテリアに馴染むおしゃれなものが欲しい」というニーズに応えるモデルもたくさんあります。
静音性の絶対王者:ダイニチ HD-RXT724(ハイブリッド式)
寝室での使用を第一に考えるなら、ダイニチのこのモデルがおすすめです。「おやすみ快適」モード時の運転音は13dBと、ほぼ無音に近いレベルの静かさを誇り、業界トップクラスの静音性を実現しています。もちろんハイブリッド式なので加湿パワーも十分。使い捨てのトレイカバーなど、メンテナンスを簡素化する工夫もされています。
デザインと機能の両立:モダンデコ jxh003j(ハイブリッド式)
超音波式の弱点である衛生面を「ヒーター加熱」と「UVライト」のW除菌でカバーした、加熱超音波式ハイブリッドモデルです。洗練されたデザインと豊富なカラーバリエーションで、インテリアを重視する方に大人気。6.5Lの大容量タンクや上部給水、リモコン付きなど、機能面も充実しています。
憧れのデザイン家電:バルミューダ Rain(気化式)
加湿器を「家電」から「美しいインテリア」へと昇華させたモデルです。陶器の壺のような美しいデザインと、本体上部からそのまま水を注ぐ革新的な給水方法が特徴です。気化式なので安全性も高く、省エネ。価格は高価ですが、機能性だけでなく、お部屋の雰囲気ごと潤したいという方に選ばれています。
お手入れのしやすさが重要
前述の通り、加湿器は清潔に使い続けるために「お手入れ」が絶対に欠かせない家電です。ここを見落とすと、後で「面倒くさい…」と使わなくなってしまうことも。
おすすめ商品でも紹介したように、最近のトレンドは「上部給水」です。重い水タンクを持って洗面所と部屋を往復し、水をこぼさないようにセットする…というあの日々の小さなストレスから解放されるだけで、加湿器を使うハードルがぐっと下がります。
また、タンクがバケツのように持ち手付きで運びやすいか、給水口が広くて中までしっかり手を入れて洗えるか、取り外して洗う部品がいくつあるかなど、ご自身が「これなら続けられそう」と思えるお手入れ方法のモデルを選んでくださいね。
人気モデルの口コミも確認
実際に使っている人の声は、カタログだけでは分からないリアルな使い心地を教えてくれます。良い点も、少し気になる点も見てみましょう。
このように、ライフスタイルやご家庭の環境によって、メリットがデメリットに感じることもあるようです。
結論:加湿器はどのタイプがいい?
ここまで、加湿器の4つのタイプと選び方のポイント、そして具体的なおすすめモデルを見てきました。結局「加湿器はどのタイプがいいか」は、あなたの優先順位次第です。最後に、この記事の要点をまとめます。
- 加湿器は主にスチーム式、超音波式、気化式、ハイブリッド式の4タイプ
- 衛生面と手軽さを最優先するなら「スチーム式」(例:象印)
- 電気代と安全性を最優先するなら「気化式」(例:パナソニック)
- パワーと省エネ、機能性のバランスを求めるなら「ハイブリッド式」(例:シャープ)
- デザインや静音性を重視する選択肢も豊富(例:ダイニチ、モダンデコ)
- 超音波式は安価で静かだがこまめな清掃が必須
- リビングにはパワーのあるハイブリッド式やスチーム式がおすすめ
- 寝室には静音性の高いモデル(ダイニチなど)を選ぶ
- 子供やペットがいるなら気化式や加熱気化式が安心
- 「上部給水」などお手入れのしやすさも重要なチェックポイント
- 実際の口コミを見てメリットとデメリットを両面から確認する
- 自分のライフスタイルに何を一番求めるかを明確にする
- 少し余裕のある適用床面積のモデルを選ぶと効果的
ぜひ、これらのポイントを参考にして、ご自身にぴったりの一台を見つけてくださいね。








